‡A Case Of Identity‡

頑張ります!

亡き人を偲ぶ会

愛媛には初めて行きました。こういう形で来ることになるとは思ってもいませんでした。
大学のサークルで同期であった友人が今年の初夏に亡くなりました。彼を偲ぶため、ご実家にサークル仲間と伺うことになったので、愛媛を訪れたのです。
遺影を見て本当なのだなと思い知らされました。
ご両親から彼の最期についてお話いただきましたが、あまりにも壮絶で、なぜこの若さでという思いでした。任務地の広島で発症したそうです。そのときは「舌がん」だったそうです。切除手術に成功し回復していたそうです。舌も再生手術があるそうで、普通にしゃべれるようにはなっていたそうです。しかしながら、ガンが転移し再び発症。今度は抗癌剤などで抑えようとしたそうですが、若い人のガンのせいもあってか進行を抑えられなかったそうです。柏の国立がんセンター東病院で高度医療を受け、今度は上手くいっていたそうですが、今度は強力すぎる治療手段により自己組織も痛めたそうで、それ以上の治療ができなくなったそうです。
希望として地元に戻りたいということで、愛媛にあるホスピス、最終的には自宅で緩和ケアを行っていたそうです。
お父様曰く、「今、坂の上の雲をやっているでしょう。丸坊主にしてヒゲも剃れなかった息子がドラマでの病床の正岡子規香川照之)とかぶるんですよ・・・」
親より早く逝くことほど不幸なことはないのかもしれないとさえ思えてきました。官僚としてこの先の活躍が期待され、順調に行けば申し分のない生活を送れたであろうに、なぜこの年で死なねばならなかったのか。いつも元気で声が大きかった彼なので、なおさら病気でこんなにも早く死ぬなど考えもしていませんでした。
最期の日に動かぬ体を起こそうとして要求したのは紙と鉛筆。最後の力を振り絞って書いたのは、ほとんど読めないような字で
「To All. 一筆入魂・・・」
そこまで書いたところで続きが書けないことを悟り、あきらめたかのように筆をおいたそうです。感謝の言葉を書こうとしたのかもしれません。27歳という年齢で自分の最期を悟らなければならない、人生が終わってしまう。僕は考えたこともなかったことですが、現実にあるんですね。
今まで身内にも死というものがあまりなく、どうしたらよいのかが本当に分からないです。
残されたものにできることが何かは分からないですが、「彼の分まで生きる」ということだけは誓わなければならないでしょう。