‡A Case Of Identity‡

頑張ります!

終戦のエンペラー

ちょっと遅くなったのですが「終戦のエンペラー」を観て来ました。そもそも上映している映画館が少なく、公開から日も経っているのでさらに少なくなっていました。なので今回は新宿ピカデリーで。休日ということもあって満席に近い客入りだったかと思います。
予告編程度の予備知識だったので、アメリカ映画だからなぁという先入観がありました。見終わってからの感想はこれをよくアメリカ映画として作ったなぁというものでした。
原作が『陛下をお救いなさいまし 河井道とボナー・フェラーズ』であり、プロデューサに奈良橋陽子、野村祐人らが関わっていることが強く影響しているのは当然でしょうが、それにしてもこのストーリーや演出で製作できたのは奇跡に近い気がします。奈良橋陽子さんの祖父は関屋貞三郎なんですね。だからかぁという部分もあるのですが、それだけでできるものでもないですよね。
皇居での撮影も許可されたようで、なかなか凄いですね。
世界初! 皇居内での撮影が許された映画『終戦のエンペラー』 | マイナビニュース
原爆投下や東京大空襲、フェラーズの恋人が住む街・静岡の空襲なども印象付けられる展開で、日本で観ているのでそうだよねぇと観ていられるのですが、アメリカ映画だということを思い出すとビックリしますね。
マッカーサーやフェラーズなども英雄的な表現はほぼなく、終戦直後の日本を特に天皇陛下の処遇をどうするかというところで悩むあたりがクローズアップされている映画になっていました。
これはアメリカでの興行が振るわないのではないかと思うところもあるのですが、コレがイギリス人監督のピーター・ウェーバーが撮り、アメリカ映画として出せたことには非常に意義がある気がします。
夏八木勲さんが関屋貞三郎役でした。亡くなられたんですよねぇ。
クライマックスである昭和天皇マッカーサーの面会のシーンがやはり涙を誘います。このシーンはトミー・リー・ジョーンズの表情の演技も素晴らしいですね。
日本では作れない映画だけど、日本としての主張が入っている素晴らしい映画でした。